甲府地方裁判所 昭和55年(わ)79号 判決
主文
被告人菊島時雄を懲役一〇月及び罰金一、〇〇〇万円に、被告人株式会社菊島時雄商会を罰金五〇〇万円にそれぞれ処する。
被告人菊島時雄において右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。
被告人菊島時雄に対し、この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
(罪となるべき事実の要旨)
第一 被告人菊島時雄は、甲府市高畑二丁目一五番一二号において、「菊島時雄商会」の商号で貴金属、装身具の製造及び販売業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て
(一) 昭和五一年分の実際所得金額が一億五八四万八、四六三円であつたのにかかわらず、売上げの一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ、昭和五二年三月一五日、同市丸の内一丁目一一番六号所在の甲府税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五、二六八万一、九二五円で、これに対する所得税額が二、六〇七万七、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、自己の同年分における正規の所得税額六、四〇九万五、二〇〇円と右申告税額との差額三、八〇一万八、一〇〇円を免れ、
(二) 昭和五二年分の実際所得金額が四、九三九万一、五二五円であつたのにかかわらず、前同様の方法により所得を秘匿したうえ、昭和五三年三月一四日、前記甲府税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二、六四七万二、四六四円で、これに対する所得税額が八七六万三、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、自己の同年分における正規の所得税額二、二六六万八、〇〇〇円と右申告税額との差額一、三九〇万四、四〇〇円を免れ、
第二 被告人株式会社菊島時雄商会は、昭和五二年九月一日設立され、同市高畑二丁目一五番一二号に本店を置き、貴金属、装身具の製造及び販売の業務を目的とするもの、被告人菊島時雄は、前同日より同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人菊島時雄は、同会社の前記業務に関し、法人税を免れようと企て、昭和五二年九月一日から昭和五三年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が九、八七八万四、一四一円であつたのにかかわらず、前同様の方法により所得を秘匿したうえ、昭和五三年一〇月三一日、前記甲府税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五、〇四二万八、四二四円で、これに対する法人税額が一、九一四万三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額三、八四七万七、八〇〇円と右申告税額との差額一、九三三万七、五〇〇円を免れたものである。
(適用した罰条)
被告人菊島時雄につき
所得税法二三八条(各懲役刑、罰金刑併科)、法人税法一五九条一項(懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項、一八条、二五条一項
被告会社につき
法人税法一六四条一項、一五九条一項
(裁判官 芥川具正)